マウントアダプター遊びを始めた25年くらい前、お気に入りのマクロスイター以外ではライカRのレンズとM42のツアイスレンズ、ヤシカコンタックスのツアイスレンズを中心に使いました。レンズ好きにはやはりライカとツアイスははずせないですね。お高いのが難ですが。
その頃、ローライSL35という一眼レフカメラのレンズがドイツ製カールツアイス(のちにシンガポール製)で、さらに同じマウントでフォクトレンダーレンズもあるというので興味を持ちました。マウントはQBM(クイック・バヨネット・マウント)マウントというローライ独自の規格で、他のカメラに流用出来ないため、内容の割に非常に安価でした。
ツアイスがローライのために設計、製造したレンズで、のちのヤシカコンタックスのツアイスレンズ設計のベースとなったレンズですから、その性能は優秀です。ローライ独自のHFT(High Fidelity Transfer)コーティングが施されています。
QBMマウント専用の純正M42アダプターがあって、非常に薄かったので、M42とフランジバックが近いとイオスにつくアダプターを作ってみました。けっこう製造はたいへんでしたが、今ではイオス用、ミラーレス用の中国製アダプターが安価でたくさん出ています。
結局分かったのはフォクトレンダーネームのレンズはローライSL35の兄弟カメラ、フォクトレンダーVSL1用のレンズでネームが違うだけの同じツアイスレンズでした。ツァイスイコンがカメラから撤退する時にイカレックスシリーズの最終機SL706の製造設備をフォクトレンダーの商標とともにローライが譲り受けて製造を始めたもので、SL35シリーズのローライランドとフォクトレンダーVSL1のフォクトレンダーブランドが並行して販売されたものでした。
フォクトレンダーVSL1にはM42マウントとQBMマウントのボディが存在しましたので、フォクトレンダーネームのツアイスレンズでM42マウントのレンズもあります。
写真はディスタゴン16ミリF2.8の高速超広角レンズです。ヤシコンツアイスレンズなら高価なレンズだと思いますが、QBMマウントなら格安です。ぜひ、フルサイズセンサーで使ってみたいですね。
後期にはフォクトレンダーネームの日本製レンズのラインアップがありましたが、これは鏡胴のデザインからマミヤ製と言われていて、マミヤのレンズはM42などで優秀さが認められていましたので、よく写ります。