![]()
ギター弾きですので、どうしてもギター中心に音楽を聴いてしまいますが、リズム楽器だったギターで始めて単音ソロを弾いてジャズギターの開祖といわれるエディラングは、1920年代からブルースギターのロニージョンソンとデュエットで数多くの録音を残してます。これは今聴いても素晴らしい演奏です。
ロニージョンソンは、かのロバートジョンソンに大きな影響を与えたと言われているブルースシンガーでブルースギターの達人です。
1920年代はまだジャズギターとブルースギターの境目が曖昧で、お互いに影響しあっていたと思われます。
ロニージョンソンはのちにルイアームストロングやデュークエリントンと共演してしてます。
1940年代になって、モダンジャズギターの開祖といわれるチャーリークリスチャンは現代につながるモダンジャズギター奏法を開発しますが、同郷で幼なじみのモダンブルースギターの開祖といわれるTボーンウォーカーとは同じバンドで同じ仕事をシェアしていた、ということですが、お互いのギタースタイルにはほとんど影響が感じられません。
Tボーンウォーカーは今世紀最大の発明といわれるギター奏法、いわゆるペンタ一発(ペンタトニックだけで一曲弾けてしまう)を確立した人ですが、これがなければロックンロールもロックも生まれなかったのでは、と思われるほど画期的で、すべてのロックギター少年が始めて弾くアドリブはTボーンのフレーズです。ハードロックであろうがヘビメタであろうがブルース、ロックでTボーンの影響下にいない人はいない、というくらい偉大です。
対してモダンジャズギターの奏法はペンタ一発の部分もありますが、基本的には管楽器やピアノの奏法を参考に考えられたコード進行に沿って合っている音(時々わざとアウトな音も)を弾くという奏法ですので、進化とともにコード進行がどんどん複雑になりました。
この違いが3コード12小節のブルースと複雑なコード進行のジャズブルースに分かれた要因だと思います。
なので、一般的にジャズから始めた人は3コード12小節をペンタ一発で弾くのが苦手で、ブルースから始めた人はコードに沿って弾くジャズブルースが苦手です。
もちろん両方バリバリに弾ける達人は世の中に沢山いますが、それでもジャズギタリストが弾くジャズブルースより、ブルースギタリストが弾くジャズブルースの方が好のみなのは、自分がブルースから入ったせいでしょうね。
最近、ジャンプブルースの曲が増えてきて、ジャズ、スィング奏法を研究中ですが、なかなか身に付いたものは大きく、つい乗ってくるととチョーキング一発に走ってしまいます。