コダックエクトラは135フィルムを使用するレンジファインダー機で、ライカやコンタックスを機能的には完全に凌駕するために巨人コダックが持てる力を全て注ぎ込んで開発した最高級カメラで、1941年に発売されましたた。
168mmの長い距離計の基線長、254mmまで対応するズーム式ファインダー、自動パララックス補正、日中フィルム交換可能なマガジン式カメラバックなどを備えていました。そのあまりにも複雑な機構で決して使いやすいカメラではありませんでしたが、そのデザインと存在感はマニア垂涎のカメラでした。しかし、もっとも魅力的なのはコダックの誇るエクトラ専用エクターレンズ群でしょう。35mmから153mmまでの交換レンズがありました。(254mmは試作のみです)
複雑で大きく重く、値段も超高価だったため商業的には成功せず、1948年までに2490台が生産されたのみでした。
写真はエクトラの標準レンズエクター50ミリF3.5、テッサー型3群4枚のシャープなレンズです。このレンズも距離計連動はライカ同様無限から1メートルまでですが、やはりレンズ横の小さなボタンを引くとロックが解除され、40センチまで寄れるのでデジタルでは重宝します。